組織のモチベーションをコントロールする方法2022.4.7 税理士法人SHIP 鈴木 克欣

皆さん、こんにちは。
税理士法人SHIP代表の鈴木です。

日本の過去25年間で、35歳から44歳の世帯所得が▲104万円、45歳から54歳の世帯所得が▲184万円減少したというデータがあります。
この間、共働き世帯は増えています。にもかかわらず、大きく世帯所得は減少しました。
25年間でこれほどまでに下がってしまった世帯所得は、今後上昇するでしょうか?
やはり、このまま行くとまだまだ下がり続けていく・・・という考えになります。

そんな中で、個人のモチベーションや組織のモチベーションをどのように保てばいいか?
この”モチベーション”が実は、日本において大きな課題と言えます。
課題である”モチベーション”と正面から向き合い、コントロールする組織が増えてきているという話です。

そもそもモチベーションとは、どういう状況で下がってしまうのか?
①収入への不安
②人間関係の不満
③仕事のやりがいへの不満
④将来に対する不安
などが掲げられると思います。

上記に対して、税理士である鈴木がSHIPのスタッフに伝えている考え方や
クライアント企業の経営者から学んだこと、企業の社員教育の場で経験したことを伝えたいと思います。

①収入への不安
上記のように「世帯所得が下がってきているから、当社の給与もこれぐらいの基準でいいだろう」と考える経営者も存在します。
逆にある経営者は、「うちの社員のモチベーションを保つには、これぐらいの給与水準にしておかないといけない」と言います。
給与をコストとして捉えたときに、会社の利益を優先して給与や賞与を下げる企業と
働いている社員目線から逆算して、給与水準を押し上げたいと考える企業。
思考のスタートをどこに置くかで、考え方は180度変わります。

②人間関係の不満
実は、人間関係の相談は非常に多いです。専門は税理士ですが(笑)
私個人の考えですが、人間関係の問題となる”種”は個人の「自信の無さ」からくる部分が多いと感じます。
たとえば、向き合って座っている2人を想像してみてください。
この2人は本音を言うと自分に自信が無く、自信の無さからなんとか「自分を正当化したい」と必死です。
結果的に相手の話を聞く余裕がなく、自分のことばかり話した結果、相手のことを理解できませんでした。
こういう状況が組織のあちらこちらで起こっていた場合、その組織のモチベーションは高いといえるでしょうか?

③仕事のやりがいへの不満
人間は誰しも成長意欲を持っています。この成長意欲が満たされないと、不安や不満を生みます。
自分が成長していると実感できる「成長の見える化」は効果的です。
社員全員、成長のスピードも成長のベクトルも異なります。個人個人の”成長”を組織が設計し、フォローしていく。
階段を登っていく未来を具現化し、階段を登ることで自分に任せられる業務内容や収入が変わることを組織がコミットする。
最終的な努力は個人です。その手助けを組織が実施することで、社員が頑張れる”場”を構築できるはずです。

④将来に対する不安
「生活への不安を取り除くのに収入はいくら必要ですか?」と企業の社員教育時に質問すると、
年収1,000万円欲しいと言う人はほとんどいません。10年以上前は、結構いたと思います。
今の日本人のマインドは、年収1,000万円を3年もらうよりも年収500万円を10年もらうことを選択します。
「心理的安全性」という言葉があります。組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。
組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した心理学用語で、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、
罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。
この「心理的安全性」の担保は未来への生活不安が少ない上に成り立ちます。

おそらく、皆さんの中でも上記のいくつかが当てはまると思います。
多くの経営者や企業の社員を見てきた私の見解としては、今の日本人は「自信がない」と感じます。
企業として素晴らしい商品やサービスを持っていても、組織内にいる多くの人が自信がないため、結果を出せずにいる。
この結果、組織全体のモチベーションが下がっていく構図が存在します。

まずは、「自信がない」という自分の中にある感情と向き合ってはいかがでしょうか?
この”感情”は曲者で、自分自身の考え方や行動を支配しています。
つまり、「自信のない」感情から「自信のない」行動につながり、「自信のない」結果を生み出してるのだとしたら、
入口にある「自信のない」感情と向き合い、なぜ自分は自信がないのか?なぜ隣の仲間は自信がないのか?を理解することで、
上記の不安や不満の”種”を理解することにつながると思います。

自分だけでなく、多くの日本人が自信を持てていないとしたら、”自分1人で解決すること”が難しいと言うことになります。
これが今の組織において、トップダウンではなく、ボトムアップが求められる根拠となります。
組織の問題を経営者や幹部のせいにするのではなく、全ての社員のMISSIONとして向かっていく。
社員全員が自分達の組織をもっといいモノに変えていくために、1人で背負うのではなく仲間とオープンマインドで話し合う。
オープンマインドの中で、「実は自分はこういうところが自信がないんだよね」と発言することで共感する人は必ずいると思います。

経営陣や組織の「責任」は、頑張る社員を収入面や待遇面でフォローし、
未来への生活不安を少しでも取り除くための”コミット”をする。
モチベーションの高い組織というのは、こういう事をしっかりやれている組織だと実感します。

税理士っぽくないブログだな・・・と私も思います(笑)
税理士法人SHIPとしても、企業を支援するときには「人を見る」ことが大切です。
人を見ないで、数字ばかり追いかけていても業績は上がってこないですから。

私の周りには自分ばかり(内側)ではなく、社員や取引先(外側)に目を向けている経営者がたくさんいます。
こういう経営者の元で、社員は安心して頑張れる状況を目にします。
やっぱり、「いい組織、いい社員だな・・・」と私自身も思いますし、
経営者としてSHIPもこういう組織にしたいと思っています。

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