交際費と業績の相関関係2022.10.19 税理士法人SHIP 鈴木 克欣

皆さん、こんにちは。
税理士法人SHIP代表の鈴木です。

最近、さまざまな企業の決算書を見ていて、気づいたことがあります。
接待交際費が減っている点です。
これは、コロナの影響を受けている部分もありますが、
単純に「接待交際費」がSHIPのクライアント企業では減少しています。

そして、大きな特徴が業績が良くなっている企業ほど交際費が減少し
業績の悪い企業ほど、交際費が増えているという点です。

前年度に対して大幅に業績を伸ばしている経営者に直接聞いてみました。
「だって、交際費って今の時代、一番必要ないでしょ」
という回答が返ってきました。

ちょっと深掘りしてみます。
交際費とは・・・交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、
仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為
(以下「接待等」といいます。)のために支出するものをいいます。

取引先など”外”の方々と会食をすることで、交際費は計上されます。
逆に、”中”の方々に対してお金を使った場合、「福利厚生費」が計上されます。
交際費が減少している企業は、福利厚生費だけでなく、
教育研修費なども予算が増加している傾向にあります。

つまり、外への支出が減った分、中への予算が生まれるということです。

僕は取引先とよくゴルフに行きます。
少し早めにゴルフ場へ行き、ラウンド前に朝食を食べながら仕事の話をする時もあります。

また、毎朝4時過ぎには起きているため、普通に夜9時ぐらいには眠くなります。
夜の会食も6時頃からスタートし、9時には帰宅するケースがほとんどです。
翌朝、お酒が残っている事は、この数年で記憶にありません。

夜の時間が早くなればなるほど、当然ながら交際費の金額は減っていきます。
最近では、朝飲みや昼飲みでもいいかな・・・と思っています。

なぜ交際費が増える経営者と減る経営者がいるのか?

それぞれの経営者を分析すると、時間の使い方が違うことがわかります。
”時間の使い方”というのは、何に時間を優先的に使えば結果が出るのか?
そして、突き詰めていくと交際費を使ったからと言って必ずしも結果が出ていないことに気づく。

接待とはそもそも、新しい仕事につなげたり、
取引先との関係を良好に保つために、行われるものです。
仕事につながる接待は、「接待交際費」として全く問題ありません。

接待のなかでも、経営者個人の”飲みたい”という願望から使われる交際費もあります。
僕にも、もちろんあります。
こういう時、経営者自身のポケットマネーから支払っている場面を見かけませんか?
領収書は切らずに、個人で支払うケースです。

「会社のお金は社員が作ったものだから、個人的に使う事はよくない」
20年ぐらい前、僕が若い時にある経営者から教わった事です。

税理士という立場から、税務上の問題から「ダメですよ〜」と言いたいのではなく、
上記のような経営者のMINDだから、組織が成長していくんだということです。

業績が上がっていなくて、結果も出ていないのに、
社員が作った資金を使って会食する事は経営者として、正解なのでしょうか?

交際費をゼロにする必要はありませんが、正面から経営に向き合っていれば
交際費はそんなに今の時代、出てきません。
毎晩、外で飲んで経営が上手くいくほど今の時代は甘くはない・・ということでしょうか。

どういう経営者が交際費を使うのか?
もしかしたら、会社で従業員と会話していないかもしれません。
もしかしたら、自分の時間を持て余してるのかもしれません。

自分の考えを共有する場が近くになく、外へ求める場合、交際費は増えていくのでしょう。
当然、毎日飲んでいたら体も脳も機能は低下していくと考えられます。

いわゆるキレッキレの状態を常に保っている経営者は、結果的に交際費が少なくなり
業績が向上していくという結論になります。

SHIPでは、経営者に対してコスト削減を伝えていく中で、
「お金の使い方」と「時間の使い方」を伝えるケースがあります。
お金に対する「予算」の考え方と、時間に対する「工数」の考え方は似ています。

資金の投下をどこに実施すれば、最適であるか。
時間をどのように使えば、結果を出すことができるか。

言い換えれば・・・
”いくらまで使える”という考えを持たずにお金を使っている経営者は
タイムマネジメントも苦手だったりします。
「お金の無駄遣い」と「時間の無駄遣い」は比例するということです。

さて、皆さんの会社では、交際費は減っていますか?

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