メンテナンスのススメ2025.2.19 税理士法人SHIP 鈴木 克欣
皆さん、こんにちは。
税理士法人SHIP代表の鈴木です。
皆さんは毎月、美容院に行くと思います。
帰る時に、次回の予約をしている方も多いでしょう。
では、歯医者はいかがですか?
僕は、歯医者にも毎月メンテナンスのために行っています。
歯が虫歯などで痛くなくても、毎月行ってチェックしてもらっています。
では、会計事務所と毎月話していますか?
顧問税理士や担当者と月に1回、数字について話していますか?
SHIPが行なっている「月次決算」は美容院や歯医者と同じです。
言ってみれば、メンテナンスの感覚に近いと思います。
・先月は想定した通り、利益が出ていたか?
・何か、予期せぬ突発事項が発生していないか?
・作成した計画通りに売上や利益は積み上げられているか?
・「整った状態」を維持できているか?
・・・などのチェックを月次決算で実施します。
現状が想定した通りに進んでいれば、OKです。
まず、「理想的な数字」が何なのかを把握できているか?
そして、その「理想的な数字」を会計事務所と共有できているか?
・・・ということになります。
SHIPのクライアントで、前期決算の売上が2億円。
経常利益は▲1,500万円の企業があります。
過去を振り返ると、毎年の売上は2億円前後ですが、営業利益は1,000万円ほどの赤字が続いていました。
もちろん、この数字は理想的な数字ではありません。
そこで、今期が始まる時に、経営者と今期の理想的な数字を一緒に考えました。
ここで登場するのが「単年度計画」です。
bixidの単年度計画で、実現可能な理想的な数字を何度も話し合いました。
その結果・・・
売上高:2億3,000万円
経常利益:200万円
の結果が出る単年度計画を一緒に作成しました。
「これならできる!」という実現可能な数字です。
経常利益は200万円ほどですが、前期から比較すると、利益は1,700万円増加することになります。
非常に大きな結果を獲得することになります。
赤字を続けてきた企業が利益を実現したとき、そのあとさらに、その企業は2,000万円以上の利益を出す事ができます。
僕はこの5年間、そのような企業をたくさん見てきました。
これは、結果としての黒字化ではなく「戦略的に目指して実現した黒字化」だからこそ、これまでとは違った経営感覚を体験するのだと思います。
「1年間、黒字化にこだわった経営を行えば、ちゃんと利益が出るんだ」という体験です。
ここで、「理想的な数字」を共有しました。
あとは、毎月のメンテナンスです。
美容院に毎月行き、見た目を整える。
歯医者に毎月行き、口内環境を整える。
月次決算を毎月実施して、経営を整える。
想像してみてください。
12ヶ月間追いかける「理想的な数字」があった場合、会計事務所とどんな話をしますか?
その理想的な数字を周りの幹部とともに追いかける状況になった場合、経営者自身の「心の状態」はどうなっていますか?
そして、毎月の月次決算時の数字が「理想的な数字」に近づいていったとしたら・・・
「このまま進めば今期は利益が出るかもしれない」と現実的な結果が見えてきたとしたら・・・
この感覚がSHIPが黒字化実現のために実施している毎月のメンテナンスです。
さて、上記の企業は毎月の月次決算を行い、6ヶ月が経過しました。
現在、売上は単年度計画を1,400万円上回り、利益は1,200万円上回っている状況で推移しています。
現時点で経常利益は800万円。前期の利益をすでに2,000万円ほど上回る素晴らしい結果です。
6ヶ月経過すると、「戦略的に黒字化を考える思考」に変化してきている状況です。
これまでとは全く異なる感覚で経営をしていると思います。
この結果、単年度計画をさらに見直しました。
今期着地売上高:2億7,000万円
今期着地経常利益:2,300万円
利益は前期よりも、3,800万円も増加することになります。すごいですね。
残りの6ヶ月間、新しい「理想的な数字」をともに追いかけていきます。
一緒に追いかける目標を持つ経営者は、決して孤独ではありません。
会計事務所だけでなく、幹部や社員、金融機関など、ともに追いかける仲間も必ず増えていきます。
ぜひ、もっと多くの経営者に体験してほしい感覚です。
さて、6ヶ月後の決算でこの企業がどんな結果を出すのか?
また、ご報告させていただきます。
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