新規事業は共創で加速する|1/3|2022.5.11 株式会社クリエイティブアローズ 乳井 俊文

皆さん、こんにちは。SHIPアソシエイトパートナー、株式会社クリイエティブアローズの乳井です。
今回は、昨年度から取り組んでいる私自身とクライアントの共創ストーリーについてお話したいと思います。
共創することの大事さ、素晴らしさ、そして可能性を皆さんに知っていただきたいと思ったからです。
1年以上の歳月をかけて立ち上げた新規事業(現在も立ち上げ進行中)のドキュメンタリーのため、数回に分けてお送りしたいと思います。

代表と出会ったのは、とあるプロジェクトへの参加で、今から3年前の2019年でした。そこでの私の役割は、地域の事業主を集い、コラボレーションを促し、新しいブランドを立ち上げる、というプロジェクトの企画・運営でした。そのプロジェクトに参画いただいた方が、今回のテーマの主人公です。(以降 M代表)

その後、時代はコロナ禍へ突入。地域の事業者にとっては、一寸先も見えない、絶望的な状況が続きました。M代表の事業は地元でも有名な大型の日帰り温泉施設です。老若男女楽しめる温泉施設として、綺麗で清潔な脱衣所、温泉設備、そして家族風呂。さらには卓球台や縁日風の地元産品の販売ゾーン、マッサージサービスやトレーニングジム、家庭用ゲーム機コーナー、DVDレンタル、レストランとかなり充実していて、お客様の満足度がとても高い施設で有名でした。特に、飲食スペースは充実していて、大広間の宴会場から個室の宴会スペースまで多くの人々で賑わっていました。事業拡大も進み、順風満帆に見えました。しかし、そんな状況がコロナで一転してしまったのです。そんな中でもM代表は心折れる事無く、従業員達と奮起していました。持ち前の事業センスとアイデア力、実現力、すべてを活かして様々なチャレンジを繰り返しました。時には、「温泉にお客様が入りに来れないのなら、温泉をお届けしよう!」そんな思いで温泉をタンクに詰めて自宅へデリバリーするプロジェクトを発足。許可申請をあり得ないスピードでこなし、あっという間に事業として展開。地域の新聞やメディアを賑わせたこともありました。
このとてつも無く辛く、先が見えない時期にM代表の心労は想像することすらできませんが、相当のものであった事は言うまでもありません。

そんなコロナ禍に入った2021年の春にM代表より連絡がありました。
「新規事業を立ち上げるから、サポートしてくれないか。」
話を聞いてみると、どうやら果実を使ったアルコール飲料のブランドを立ち上げるという事でした。しかも、事業再構築補助金にいち早くチャレンジし、事業計画書もほぼ自身で作成し、採択されたからという話でした。その時の私の感想は、「やっぱりM代表は半端ない!」そんな感じです。

そこから、事業計画書をシェアされ、今後の事業展望について目をキラキラさせて語ってくれました。しかも10年20年先の事業計画まで、事業計画書には無い新規事業の構想まで。そして最後にM代表はこう言いました。「今は事業それぞれが点だけど、3年後に線になって繋がり、10年後には全く新しい価値を生み出す事業グループになる。」と。だから是非一緒になってサポートして欲しい。私はプロジェクトに参画することを即決し、後日会いにいくことにしました。

M代表が立ち上げる新規事業は、りんごを使った果実酒でした。フランスではシードル。アメリカではテイストが変わり、ハードサイダーと呼ばれているものです。M代表の地域は日本でも有数のりんごの名産地という事もあり、また昨今は若年層を中心にアルコール離れが伸長。大手メーカーがRTDというジャンルで低アルコール商品を展開するなど、比較的新しい市場をターゲットとしていました。ただ手ぶらで会いにいっても仕方が無い、そう思い社内でプロジェクトチームを発足。同市場の分析をオンラインやオフラインでのリサーチを重ね、事業のヒントになりそうなレポートとして持参し、打ち合わせする事にしました。まずは誰よりも市場を理解する、そんなポリシーからです。

初期の段階では、持参したレポートをもとにお互いの考える事業の方向性や考え方、価値意識のすり合わせを徹底して行いました。昼も夜も語り合いました。時には他社で作成した味のサンプルを試飲して、「これは美味しくないから絶対に売れない」と厳しいやりとりをした事もありました。味のイメージを共有するために、世界中のシードルやハードサイダーを集めた試飲会も実施しました。そこでようやく共通のイメージができあがりました。こうやって一歩一歩前に踏み出していったんです。

また、ブランド名・商品名を決定しなければなりません。実はM代表が考案したネーミングあり、その案でいくつもりで商標登録まで済ませていました。そこまで進んでいては、今さら変える必要は無い、当初はそう考えていました。しかし、M代表と話をする度に、今後の事業構想を妄想する度に、考えれば考えるほど小さな違和感が生まれてきました。そこで思い切って提案し決定したのが「CRAZY CIDER(クレイジーサイダー)」というブランド名でした。M代表のように、一瞬で物事を理解し、想像し、夢中になって実現できる人はそんなに多くはいないでしょう。「CRAZY」はそんな想いを込めて、M代表にぴったりな言葉だと考えました。ブランドを言語化した瞬間でした。この続きは次回のブログで。

皆さんの周りには、信頼して未来を語り合える仲間はおりますか?忖度なしにディスカッションできて、事業をグロースさせてくれそうなブレーンはおりますか?SHIPの鈴木先生に相談頂ければ、きっとその機会を創ってくださるでしょう。

株式会社クリイエティブアローズ

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