売上を上げるストーリー2024.5.22 税理士法人SHIP 鈴木 克欣
皆さん、こんにちは。
税理士法人SHIP代表の鈴木です。
新型コロナウィルスの終息後、皆さんの売上は戻ってきているでしょうか?
普通に考えた場合、売上もコロナ以前に戻ろうとする動きになっていると思います。
日経平均株価は過去最高を記録し、ニュースでは上場企業が過去最高益を伝えています。
日本の景気はそんなに良くなっているのでしょうか?
なかなか楽観的には受け止めることはできませんよね。
人口減少が進むと同時に、日本は高齢化が進んでいきます。
日本人の給与が上昇していかない中で、物価は上がり続けていくでしょう。
つまり、今の我々の環境はまだまだ変化していくと予想され、そんな状況下で売上を組み立てていくことを考えなければなりません。
売上=顧客数×単価
ペルソナやターゲット絞り込みから顧客のいる市場分析をする必要があります。
いまのターゲットとなる顧客は男性ですか?女性ですか?
個人ですか?法人ですか?
5年後10年後ターゲットのいる市場はどうなっていますか?
さて、皆さんが考えている顧客数はこれからどうなっていきますか?
現状の売上を維持しながら、未来に向けた新しい売上を作っていこうと考えた時に、そこにはストーリーが求められます。
ストーリーに登場するのは、“顧客”と“単価”です。
既存の顧客だけでなく潜在顧客を見つけ、場合によっては育てていくことにより、これからの売上を構築していくことを実現できます。
顧客のビジネスモデルを理解する
・潜在課題は、見込み顧客の本質的もしくは根本的なところに原因があります。
・これを把握するには、ビジネスモデルそのものについて深く理解しなければなりません。見込み顧客が何を販売しているかだけでなく、誰をターゲットとしていて、どんな形で利益を出しているのかを徹底的に分析します。
・深い理解を得るためには、その業界やマーケットを広くリサーチし、データの蓄積と傾向分析をする必要があるでしょう。
世の中の動きに敏感になる
・少子高齢化のように、日本の物価上昇など世の中のこれからの動きを知っておく必要があります。
・数年後に起こるであろう、企業に生じるリスクや課題を理解し、多くの顧客とコミュニケーションを取ることで、業界に起こっている変化についても確認しておかなければなりません。
大事なのは、今までの常識や習慣に捉われず、変化に敏感であることです。
仮説力を身につける
・課題解決力を高めるためには、とにかく課題について様々な異なる仮説を立てることです。そして、その中からより良い解決策を見つけ出します。
・出てきた最良の答えがどのように優れているのかを分析することで、効率よく適切な解決策を見つけるコツをつかめるようになります。
・自分なりに仮説を作り試す努力を続けましょう。その結果、実践的な課題解決スキルを向上させることができます。
次に登場するのが「客単価」です。
これまでも「価格戦略」という考え方はありましたが、さらにこの領域をブラッシュアップしてく必要性が高くなっていきます。
日本におけるこれからの価格戦略として、主に以下の3つが主流になると考えられます。
価値主導型戦略
人口減少や少子高齢化が進む中で、顧客ニーズは多様化し、付加価値の高い製品・サービスへのニーズが高まっています。そのため、顧客が感じる価値に基づいて適正な価格を設定する価値主導型戦略が有効でしょう。マーケティング戦略と連動させ、ブランド価値や独自の機能性などを訴求することが重要になります。
ダイナミック・プライシング
AIやIoTの発達により、リアルタイムでの需給データ収集や価格最適化が可能になってきました。限られた顧客を獲得するために、時間や在庫状況に応じて機動的に価格を変更するダイナミック・プライシング戦略の活用が広がるでしょう。
サブスクリプションモデル
製品やサービスを所有するのではなく、一定期間利用する権利を販売するサブスクリプションモデルが注目されています。初期費用を抑えられるメリットがあり、顧客の long-life化が期待できます。適切な月額料金の設定が課題となります。
こうした戦略に加え、価格差別化なども組み合わせながら、顧客ニーズや市場環境の変化に柔軟に対応できる価格戦略体系の構築が求められるでしょう。
入口の考え方は、シンプルに「売上=顧客数×単価」だとしても、そこから波及される「選択肢」には、様々な選択肢があることを理解し、売上を構築するストーリーの精度を高めていかなければなりません。
つまり、時代の動向により、企業や消費者のマインドはいつも変化します。
それらの時代背景を先回りしながら、自分自身の「仮説力」つまり「ストーリー」を磨いていってください。
世の中に求められる“価値”が受け入れられ、その結果が「売上」という数字で表されることになります。
なかなか経営者や幹部だけでは難しい部分もあります。
だからこそ、客観的な視点を持つブレーンの存在もますます必要となるのではないでしょうか。
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