既成概念2025.2.12 株式会社クリエイティブアローズ 乳井 俊文

皆さん、こんにちは。SHIPアソシエイトパートナー、株式会社クリイエティブアローズの乳井です。
2025年を迎えたばかりと思いきや、既に2月中盤戦。時間が流れるのは本当に早いですね。今回は企業や業界における既成概念をテーマにお話したいと思います。

フジテレビ問題

最近、ネットやSNSでもっとも拡散されている話題です。様々な識者の方が、それぞれにこの問題にメスを入れ、日を追うごとに新たな事実が露呈され、収拾がつかなくなりつつあるこの問題。番組スポンサーの降板は相次ぎ、今年度の決算は赤字に転落との予想が出ています。しかし、何故今このタイミングでこのような事態に陥ってしまったのか?!

過去に同じような問題が暴露され、ジャニーズ事務所が解散にいたりました。そのきっかけはイギリスの公共放送局であるBBCが大きく報じたからでした。今回のフジテレビ問題は週刊誌での記事掲載が発端とは言え、それを世の中に確信づけたのはアメリカの投資ファンド、ダルトン・インベストメンツが送付した書簡でした。ダルトン・インベストメンツは、フジ・メディアHDの株式を7.19%保有しており、過半数ではないものの、それなりの影響力を持つ株主です。
双方に共通することは、ともに外資(外国)からの視点で問題を現実に晒されたことです。

これは何を意味するのでしょうか?

フジテレビの問題も、ジャニーズ事務所の問題も、日本国内で長年にわたって見過ごされてきたものが、外部からの視点によって暴かれたという共通点があります。日本のメディアや企業文化において、「暗黙の了解」や「見て見ぬふり」が当たり前とされていた事象が、グローバルな視点からは到底容認できないものと見なされたのです。

この事態は、日本の企業経営者にとっても大きな示唆を与えています。それは「既成概念にとらわれていることのリスク」です。

既成概念が企業を停滞させる

日本の企業はしばしば「前例踏襲」や「業界の常識」に縛られがちです。これは、長年培われた成功体験や、日本独自の商習慣によるものであり、一概に否定すべきものではありません。しかし、これらの考え方が「変化を拒む壁」となったとき、企業は大きなリスクを抱えることになります。

例えば、デジタル化が進む現代においても、「うちの業界は昔ながらの方法で十分」と考え、新たな技術やビジネスモデルを導入しない企業は多く存在します。しかし、そうした企業が気づいたときには、すでに市場は変化し、競争力を失ってしまっているのです。

外部の視点を取り入れる重要性

今回のフジテレビの問題を見ても分かるように、外部の視点はときに痛烈ですが、企業にとって必要な「現実チェック」となり得ます。特に、海外の企業や投資家は、日本の「当たり前」を鵜呑みにすることなく、合理的かつ冷静に評価します。

では、企業経営者はどのようにしてこの外部の視点を取り入れるべきでしょうか?

1. 第三者の意見を積極的に聞く

社内の意見だけでなく、外部のコンサルタントや業界外の専門家、海外のパートナーの意見を取り入れることで、新しい視点を得ることができます。また、社内の現状把握のケースでは、上司やスタッフには言いにくい事も、外部のコンサルタントであれば心理的に話しやすくなります。

2. グローバル基準を意識する

特に上場企業や海外展開を視野に入れる企業は、ESG(環境・社会・ガバナンス)やコンプライアンスに関する国際的な基準を意識する必要があります。国内で問題視されていなくても、海外市場では大きな問題になる可能性があります。日ごろからグローバル市場にアンテナを張りトレンド等の情報収集を欠かさない事や、年に数回海外視察される事をお勧めします。

3. デジタル化・データ活用を積極的に行う

感覚や経験則ではなく、データを基に意思決定を行うことで、思い込みや既成概念にとらわれるリスクを低減できます。例えば、客観的に正しくデータを分析することで、自社の強みや弱みを知ることも可能になります。

まとめ

フジテレビの問題は、日本の企業にとって「他人事」ではありません。どんな企業も、業界の常識や長年の習慣にとらわれることで、大きなリスクを抱える可能性があります。これからの経営者に求められるのは、外部の視点を積極的に取り入れ、変化を恐れずに柔軟に対応する姿勢です。

皆さんの会社では、既成概念にとらわれていないでしょうか?

時代の変化を見据え、柔軟な発想で未来を切り拓いていきましょう。

株式会社クリエイティブアローズ
代表取締役 乳井 俊文

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