お茶で歯が溶けるって知っていますか?2024.2.6 入歯師 山崎 敦史

こんにちは、やまざき歯科クリニック院長の山崎です。

酸性の物質に触れることで歯が溶ていくことを【酸蝕症/さんしょくしょう】といって、虫歯で歯が溶けることと区別します。

まずはじめに、歯の構造について説明します。

歯は2層構造になっていて、表面に白くて硬い【エナメル質】があり、その下に黄色くて柔らかい【象牙質】があります。

【象牙質】には目に見えない細かい穴が無数にあいていて中の神経とつながっています。
そのため、外部の刺激が非常に伝わりやすい性質があります。
それを、カバーして守っているのが【エナメル質】です。

歯は酸によって溶けてしまうのですが、【エナメル質】の酸に耐えうるpHが5.5にたいして、【象牙質】のそれはpH6.3と言われています。

鏡の前に行って下の前歯を見てください。
若い頃より歯ぐきがやせて、歯が長くなったように見えませんか?

歯の先端を見てください、歯がすり減って断面が木の切り株のようになっていませんか?

光を当ててよく表面を見てください、細かいヒビが入っていませんか?

これらはすべて、【象牙質】の露出につながります。つまり外部からの攻撃に対して弱い状態にあります。

中性がpH7.0なので、お口の中の環境が少し酸性に傾くだけでも【象牙質】は溶け始めてしまいます。

お茶のpHは品種や淹れるお水にもよりますが、pH6.0~7.3の間に収まります。

健康な歯の方は問題ありませんが、人によっては、毎日のお茶の摂取で歯を溶かしている可能性があります。

緑茶や抹茶はビタミンCを含み重要な栄養素となっています。
ビタミンCは別名アスコルビン酸なので、酸性の物質になります。
なので、体にとってはいいことでも歯にとっては負担をかけていることがあります。

特にペットボトルのお茶を好んで飲まれている方は注意が必要です。

ペットボトルのお茶には、それ以上に酸化防止剤としてビタミンCを添加しています。
ペットボトルのお茶のpHは5.5~6.5程度で、急須で淹れたお茶より酸性であることが多くなっています。

もとのお水のpHが高いと淹れたお茶のpHも高くなるので、アルカリイオン水で淹れていただくと、味がまろやかになるだけでなく、歯にも優しいお茶になります。

同じ理由で、柑橘類が好きな方や、健康のためにお酢を飲んでいる方なども、【酸蝕症】にご注意ください。

他にも、コロナ禍をきっかけにイソジンでうがいをしている人もいるかもしれませんが、実はイソジンの原液のpHは2.2なんです。
用法通り希釈してもpH4.5~5.0です。【エナメル質】でも溶ける酸性度です。もし、しっかり殺菌しようとして、濃度を高くして使っている方や、頻繁に使用している方は【酸蝕症】になってしまう可能性があります。

健康な歯であれば何でもなかったことでも、【エナメル質】を失った歯にとってはストレスになっていることがあります。

気になる方は、pH試験紙を買って普段食べているもののpHを計ってみてはいかがでしょうか。
思わぬ発見があるかもしれません。

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