新しいドア2023.10.11 株式会社クリエイティブアローズ 乳井 俊文
皆さん、こんにちは。SHIPアソシエイトパートナー、株式会社クリイエティブアローズの乳井です。
アフターコロナに入り、私への相談内容が3年前と比べて大きく変わってきています。今回はそんな事をテーマにお話ししたいと思います。
異業種からの協業依頼
広告代理店、デザイン制作会社、印刷会社、パッケージ製造会社、デジタルマーケティング会社、映像制作会社、一般事業会社、地方自治体・・・
現在、多ジャンルの多くの企業からパートナーとしてのオファーを受ける機会が増えています。単なる協業や発注先としてのパートナーでは無く、代表が自ら来社され企業課題解決や、未来づくりのためのパートナー提携となります。コロナ禍以前もこのようなオファーはあったのですが、ここ1年で急増しています。では何故そのような状況になっているのか?私なりに考えてみました。
限界を知る
コロナ禍が3年間齎したことは、事業収益への打撃や行動様式の変化だけではありません。それは事業主の意識をも変革しました。
・外部要因からの影響を受けて事業基盤の脆さを知った
・上記から自身の事業の下限を知った。
・仮に外部要因が正常化に近づいても、3年前以上には成長できないと知った。
・つまり、自社の最大値を知った。
・自力でマイナスを取り戻し、プラスに転じるには新たな策がいるが手元には無い。
恐らく、多くの経営者はこのように考えたのではないか。私はそう感じています。このような状況下で新たな一手をどう用意するか、その答えの一つが私への相談なのではないか。まさにあらゆる業界で地殻変動が起きそうな予感すらあります。
事業ドメインを補強する
弊社とのパートナーシップで主に期待されている事は、本業を伸ばすために、ビジネスの間口を広げ、サービスを横展開し、包括的にクライアントの課題に向き合い解決することや、魅力的な新事業の開発です。また、ビッグデータ解析をはじめとする高度なデータマーケティングを武器にコンサルティングフェーズまで駆け上がり土俵を変えることです。既存クライアント内の異なる階層の決裁者や、部門にアタックすることで改めて自分たちが優位なポジショニングを生み出す事を目的としており、私自身も当事者の1人としてクライアントへ同行し、プレゼンやコンサルティングを行っています。この取り組みは、大手企業をはじめ多くの成果を生み出し、その結果としてスタッフの士気を高める事にも繋がっています。
伸びしろと余白がある組織へ
弊社にはほぼ毎日のように、M&Aに関する問い合わせや、自筆レターが届きます。月に数回私の自宅や個人の携帯電話にまで問い合わせがくる日もあります。新たな成長の一手として、一時期M&Aの検討もしたことがありましたが、今は一選択肢として脇に置いています。それよりも今はパートナーとしての協業の可能性を模索しています。
新しい取り組みを実施しようと考えたとき、そこにはリソースが必要となります。今までは自社で新たに人材を採用し、育て、その人の活躍から利益を生み出してきました。しかし、人材獲得が困難な時代に、また混乱の時代に今までの方法論には限界があると考えています。そこでM&A等の市場が拡大し、異なる企業同士がタッグを組んで成長の機会を得るという選択肢も一般化しています。それはそれで良いと思っています。
ただ、M&Aを検討する余程の理由が無い場合、協業パートナーという選択肢もあると思っています。勿論すべての依頼をお受けする訳では無く、ビジョンやミッションが似た者同士という入り口が望ましいです。もし、このような考えでパートナーシップを結んだ場合、
・新たなリソースを自前で用意しなくて良くなる
・自社には無い知見が手に入る
・スタッフ育成にも繋がる
・自社の強みを補強できる
少なくとも今のままで上記が実現出来ると思います。
組織を拓く
コロナ禍となる数年前に「企業留学」という取り組みが注目を浴びた時期がありました。対象者は自分の企業に所属したままで、他企業へ赴任し、知見を与えたり、吸収し持ち帰ることで、お互いの事業理解を深めたり、モチベーションを高めることに繋げるというものです。大手企業ではそのような制度を設けている企業もあり、代表的なところでは、
三菱東京UFJ銀行、みずほFG、三井住友銀行、日立製作所、味の素、資生堂、パナソニック、トヨタ自動車、デンソー、三菱電機、キヤノン、野村総合研究所、NTTデータ
が挙げられます。
大企業ですらこのような取り組みを古くから行っています。中小企業の売りは小回りが効いてスピードがある事です。大手以上に活発な人材交流が望まれるはずだと私は思っています。
この混迷の時代の新たな成長手段として、あらためて周囲を見渡し、事業パートナーを見つけてみては如何でしょうか。思いもしない、新たな成長ストーリーが幕開けするかもしれません。
株式会社クリイエティブアローズ
https://www.creative-arrows.co.jp