ミドル層の背中が、チームの未来を変える2025.6.25 株式会社クリエイティブアローズ 古川 智一

変化のスピードに応える“組織の芯”をつくる

ここ最近、現場でよく耳にする言葉があります。

「若手に、より主体性を持って行動してほしい」
「優秀な人材の採用が難しい」
「ベテラン層が過去の成功体験にとらわれ、変化に適応しきれていない」

もちろん、組織によって課題の表れ方はさまざまですが、私自身が強く感じるのは「ミドル層のアップデートが止まると、組織の成長も止まる」ということです。

私たちの業界では、案件やプロジェクトのスピードと複雑性が年々増しています。ありがたいことに、弊社にも新たな引き合いを日々いただいており、いままさに、クオリティとスピードの両立が強く求められるフェーズに突入しています。
その中で、現場の屋台骨ともいえるミドル層の存在が、今まで以上に大きな意味を持ちはじめているのを実感しています。

 

そもそも「ミドル層」とは誰か?

ここでいうミドル層とは、30代後半から50代にかけての、プレイヤーとしての実務力とマネジメント力の両方が求められる層を指します。いわゆる“中堅”と呼ばれる彼らは、若手からは頼りにされ、経営陣からは現場との橋渡し役を期待される存在です。
しかし、現実にはこのポジションが “機能していない” という声も多く聞こえてきます。

・従来のやり方へのこだわりが強く、新しい手法や考え方に柔軟に対応できていない
・若手社員とのコミュニケーションや信頼関係の構築に課題を抱えている
・本人の成長意欲が見えづらく、キャリアへの主体的な姿勢が感じられにくい

私は、この状況に強い危機感を持っています。
だからこそ、自社の中でも一つひとつ実践を重ねています。

 

私が今、実践している“3つの挑戦”

●若手とミドル層がペアで推進する“ユニット制”
お互いの強みを活かし合える体制を構築することで、若手は学び、ミドル層は支援する中で自らの価値を再認識できるように設計。

●仕事観を共有する“ディスカッションの場”を設ける
「プロフェッショナルとは何か」などのテーマで対話を行うことで、メンバー同士が視座を高め合い、共通の価値観を育む。特に経験豊かなスタッフには敬意を示しつつ、これからの役割に対する前向きな期待を伝える機会とする。

●クライアント案件を通じた“教える場”の設計
進行中のプロジェクトにおいて、ミドル層が“教える立場”として若手と関わる機会を意図的に設計。マニュアルでは伝えきれない“現場感”を共有することで、若手の実践的な成長を促すと同時に、ミドル層自身のリーダーシップや役割価値の再認識にもつなげていく。

これらの実践は、まだ「完成」ではありません。むしろ、私自身が現場の中で奮闘している最中です。
ただ一つ言えるのは、ミドル層が動き出すと、若手も動き出すということ。だからこそ、私はこれからもミドル層とともに“価値を再発見できる場”をつくり続けたいと思っています。

 

成長マインドは「伝え方」と「見える化」で引き出せる

私は日々の実践の中で、ミドル層が“やってみよう”と前向きに動き出すためには、まず「見えること」が必要だと強く感じています。

たとえば、
「自分にどんな期待がかかっているのか」
「自分の経験がどんな価値を生むのか」

この2つが曖昧なままだと、どれだけスキルがある人でも次の一歩は踏み出せません。逆に、期待と価値が言葉として明確になると人は動き出す。これは私自身が現場で何度も見てきた光景です。
だからこそ、私のような立場にできるのは「期待していること」と「その理由」をしっかりと言葉にして伝えること。さらに経験やノウハウを“仕組み”として残し、再現できる形にすること。

日々の対話の中で信頼を積み上げていくような、地道なコミュニケーションこそが力を持つ。

ミドル層が「価値を出せるかもしれない」と感じられる一歩をどう生むか。そこにこそ、これからの組織づくりのヒントがあると思っています。

 

全員が主役になれるチームをつくる

若手がどれだけ優秀でも、戦略がどれだけ練られていても、それを機能させる“組織の芯”が整っていなければ、成長は持続しません。

そして、私自身もまだまだ試行錯誤の中にいます。全員が迷いなく動けるチームをつくるには、越えるべき壁も多い。それでも私は自ら動き、挑みながらチームを導いていきたいと考えています。

ミドル層の進化も、若手の挑戦も、どちらも重要です。
それぞれが役割と責任を理解し、チームとして機能すること。
その先に、本当に強い組織が生まれるのだと思います。

売上へのコミットも組織づくりも、すべては「面白い仕事を生み出す土壌」をつくるため。
私はこれからも、現場と組織をつながる役割として、未来を動かす挑戦を続けていきます。

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