プレイングマネージャーの壁と解決策2025.10.8 株式会社クリエイティブアローズ 古川 智一
皆さま、こんにちは。株式会社クリエイティブアローズの古川です。
ここ数年、営業やプロジェクトの現場で動きながら、私はある課題に直面してきました。
「私自身も含め、チームのやり方が本当に変化できているのか?」
案件数は増え、新しい引き合いもいただいています。しかし、ふと振り返ると、昨年とあまり変わらない進め方を繰り返している──そんな現実に気づかされたのです。
代表が掲げたパーパスやMVVを実現するために、私に与えられたミッションは「戦略を描き、チームを導くこと」。
メンバーがチャレンジし、スキルアップし、やりがいを持って成長していける環境をつくることです。
営業チームである以上、収益管理も必須です。
しかし、私自身がプレイングに時間を取られ、マネジメントの比重が十分に果たせていない。
このジレンマがチーム全体の成長を阻んでいるのは明らかでした。
会社のパーパスに沿った私のミッション
私には会社から与えられた明確なミッションがあります。
それは営業チームのリーダーとして戦略を描き、実行を推し進め、メンバーそれぞれがチャレンジしながら成長できる環境を整えること。
スキルアップや新たな挑戦を通じて仕事のやりがいを高める。そして営業チームである以上、当然ながら収益管理も欠かせません。
しかし実際には、思うように成果に結びつかない時期が続きました。
案件の引き合いは一定数いただけているものの、ふと振り返ると「チームとしての進化」があまり見えてこない。
昨年と変わらない進め方や属人化された仕事のスタイルが残り、結果的にチーム全体のキャパシティや収益の限界値を決めてしまっていました。
このままでは拡張性も生産性も伸びない。スケールする組織には程遠い。そう痛感しました。
属人化の壁をどう越えるか
課題のひとつに「属人化」があります。
以前の私は「属人化=悪」と捉え、排除すべき対象だと思っていました。
確かに、確認作業やルーチン業務が属人化すると、キャパシティが固定化され、スケールが止まります。
担当者の負荷や不在が、そのまま組織のリスクにつながるからです。
一方で、属人化には強みもあります。
「この案件はあなたにしかお願いできない」と言われることは、代替不可能な価値を持っている証拠。
クライアントにとっても組織にとっても、その人材の存在は大きな資産です。
私が気づいたのは、属人化を否定するのではなく、
「弊社にしかできないこと」と「仕組み化して任せられること」を明確に切り分ける必要があるということでした。
実際に取り組んだこと
最初に行ったのは、業務の棚卸しです。
「自分がやらなくても良い仕事」と「自分だからこそやるべき仕事」を可視化し、メンバーと共有会を行いました。
そのうえで、ミドルリーダーとともに現状のプロジェクトや営業活動を丁寧に棚卸しし、
代表と壁打ちを重ねながら戦略の最適化を実施しました。
これにより、属人的に抱えていた案件管理や見積り、確認作業を仕組みとしてテンプレート化し、
誰でも一定の品質で対応できるように共通化を進めました。
また、既存業務の振り分けだけでなく、メンバー一人ひとりの成長戦略を策定・実行。
「どのフェーズで、どんな力を伸ばすべきか」を明確にし、本人と対話しながら進めることで、
チーム全体の中長期的な伸びしろを設計しています。
今、感じている変化
この取り組みを通じて、チーム内の“役割の明確化”が進みました。
私自身も改めて、自分の立ち位置を整理する中で、
「何でも自分がやらなければ」というマインドから少し離れられたと感じています。
その結果、チーム内で私の右腕となる存在が生まれました。
判断を委ねられる範囲が増えたことで、私はより俯瞰してチームの構造や方針を考える時間を確保できるようになりました。
また、週次の戦略ミーティングでは、数字やタスクだけでなく「どの仕組みが機能し、どこが滞っているか」を全員で検証するようになりました。
単なる報告の場ではなく、チーム全員でマネジメントを再構築する場に変わりつつあります。
結果として、メンバー同士の相談や助け合いが自然に増え、
以前よりも「チームで動く」という実感が強まっています。
今後の挑戦
いま、チームは次のフェーズに進もうとしています。
新しい役割分担、新しい仕組みを試しながら、どこまで拡張性を持たせられるか。
まだ模索の途中ですが、この過程そのものを“実践ログ”として残していきたいと考えています。
同じように属人化やマネジメントの課題に直面しているリーダーやマネージャーの方々にとって、
この取り組みが一つの参考になれば幸いです。