なぜ企業は利益を出さなければならないのか?2025.10.15 税理士法人SHIP 鈴木 克欣
皆さん、こんにちは。
税理士法人SHIP代表の鈴木です。
日本における企業の黒字化率はどのぐらいかご存知でしょうか?
約30%といわれます。
全国には350万社程の中小企業がありますので、そのうちの約250万社の企業が赤字であるという事になります。
30%が黒字というデータがありますが、資金繰りも良好に維持するほどのまとまった利益を出せている企業はおそらく15%ほどではないでしょうか。
約250万社で勤めている人たちの企業が赤字だとすると、その方たちの給与は今後、上昇していくのでしょうか?
日本は最低賃金を「2020年代に全国平均が1,500円となることを目指す」と表明しています。
多くの日本人がこの発言に違和感を感じているとしたら、この日本においてそれだけ赤字が「あたり前」になってしまっているのではないでしょうか?
この、赤字があたり前の考え方(以降、「赤字MIND」と言います)は、経営者だけでなく、日本全国の会計事務所や、金融機関においてもかなり浸透してしまっています。
こんな経験はないでしょうか?
会計事務所の担当者に業績について相談したところ、「周りは赤字の企業が多いので、少しでも黒字ならいいと思います。」と言われた。
同業者の経営者からは「業績は相変わらず厳しいね〜。」という声が入ってくる。
知らず知らずのうちに、様々なシーンで多くの経営者の脳裏に赤字MINDが浸透している環境が今の日本にはあります。
税理士法人SHIPには、日本全国から相談があります。
私はまず上記のような赤字MINDを持った経営者のマインドセットからスタートします。
最初に間違った“あたり前の考え方”をリセットする必要があります。
正しい“あたり前の考え方”は、「経常利益は売上の10%を目指す。」です。
経常利益10%を実現する事はゴールではなく、目的を達成するための手段です。
では、なぜ企業は利益を出さなければならないのか?
「従業員の給与を上昇させるため」です。
これからの日本において、まだまだ物価は上昇していきます。
そして、日本人の給与も必ず上昇していきます。
国が最低賃金を上げていくから企業としても給与を上げるのではなく、一生懸命に働く従業員の生活のために、企業主導で給与を上昇させなければならないと、私は周りの経営者に伝え続けています。
“黒字化への道”の最初の入口は、黒字化MINDに考え方を変える事からスタートします。
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