幕間2025.12.24 株式会社クリエイティブアローズ 乳井 俊文

2025年の振り返りと、2026年へ向けて

皆さん、こんにちは。
クリエイティブアローズ代表の乳井です。

2025年も、まもなく終わろうとしています。
この一年を振り返って、私の中に残っている感覚はとても静かなものです。

劇的な出来事があったわけではない。けれど、社会も、経済も、ビジネスも、確実に次の形へ向けて舞台裏で動いていた。
だから私は、2025年を「幕開け」ではなく「幕間」と呼ぶのがふさわしいと感じています。

 

2025年、ニュースは派手ではないが重かった

2025年を象徴するニュースは、決して一つではありません。
生成AIは業務の現場に完全に定着し「使えるかどうか」ではなく「どう使うか」が当たり前の議論になりました。人手不足は続き、原材料費やエネルギーコストの高止まりは、中小企業の経営をじわじわと圧迫しました。金融政策や為替の動き、国際情勢の不透明さも含め、どれも新しい話ではありません。
しかし2025年は、それらが「今すぐ決断しなければならない現実」として経営に迫ってきた年だったように思います。

 

技術が進化した一方で、品質は必ずしも上がらなかった

AIの進化によって、資料作成や分析、レポーティングは驚くほど容易になりました。その結果、情報や技術は、ある意味で平準化されたと言えるでしょう。
しかし同時に、中身の薄い提案や、表面だけ整ったサービスが一気に増えた、そんな一年でもありました。

AIで書き出された文章を、ほとんど検証も咀嚼もされないまま提出する。データは並んでいるが、そこに「意思」や「判断」が見えない。

2025年は、量は増えたが、質は玉石混交になった。そんな状況が、あらゆる業界で起きていたように感じます。

 

情報が揃ったからこそ、判断の質が問われる

情報も、技術も、手法も、誰でも手に入る時代になりました。だからこそ、差がつくのは「持っているかどうか」ではありません。

・その情報をどう読み取るのか
・どこを疑い、どこを信じるのか
・そして、どんな意思をそこに重ねるのか

2025年は、経営者の判断力そのものが、これまで以上に試された年でした。AIは答えを提示してくれます。しかし、その答えに賭けるかどうかを決めるのは、人です。

 

正しさだけでは、事業は前に進まなくなった

理論的には正しい。
データも揃っている。
説明資料も整っている。

それでも、なぜか組織が動かない。市場の反応が鈍い。
2025年は、そうした場面に何度も直面した一年だったのではないでしょうか。

フレームワークやKPIが悪いわけではありません。ただ、正しさだけでは、人も事業も動かなくなった。最後に事業を動かすのは「この会社は、どこへ向かうべきなのか」という経営者自身の覚悟です。

 

私たちが2025年にやり続けてきたこと

こうした環境の中で、私たちクリエイティブアローズが意識してきたことは、とてもシンプルです。
正解を並べることよりも、もっともらしい提案をつくることよりも、事業が確かに前進するかどうかに向き合う。戦略とクリエイティブを分断せず、構想から実行までを一つの流れとして考える。AIを使うこと自体を目的にせず、人が考えるべき部分を、決して手放さない。
2025年は、そうした姿勢を一つひとつの現場で確かめ続けた一年でした。

 

変化は、数字だけではなく関係性にも現れた

この一年で、私たちに寄せられる相談の質が変わってきました。
「これを作ってほしい」ではなく「この事業を、どう前に進めるべきか」。短期的な施策ではなく、中長期を見据えた話。発注先ではなく、一緒に考える存在として声をかけていただく機会が増えています。
2025年は、そうした関係性が静かに芽吹き始めた年でもありました。

 

2025年は「幕間」だった

2025年は、終わりの年ではありません。同時に、本当の始まりでもなかった。
技術が整い、情報が揃い、判断の難易度が上がった。舞台の表では大きな変化が見えにくくとも、裏側では確実に次の準備が進んでいた。

だからこそ、2025年は「幕間」。
次の展開に向けて、すべてが静かに整えられた時間だったと感じています。

 

2026年、本番の幕が上がる

2026年は、この幕間で積み上げてきたものが、結果として表に現れ始める年になるでしょう。準備をしてきた企業と、流れに身を任せた企業。自ら考え、決断してきた企業と、答えを待ち続けた企業。
その差は、想像以上に明確になっていくはずです。

 

フィナーレとして

2025年という一年を、どう受け止めるか。それは、この「幕間」を停滞と見るか、次への助走と捉えるかにかかっています。
私たちはこれからも、事業の本気と向き合い、ともに考え、ともに悩み、ともに決断する。そして、成果につながるクリエイティブで、次の舞台に立つ準備を続けていきます。

この一年、本当にお疲れさまでした。
2026年の幕開けに向けて、一緒に取り組んで参りましょう。
 

株式会社クリエイティブアローズ
代表取締役 乳井 俊文

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