優秀な経営者の条件2025.12.3 税理士法人SHIP 鈴木 克欣
皆さん、こんにちは。
税理士法人SHIP代表の鈴木です。
これまで多くの経営者の方々とお付き合いをしてきました。
業種も規模も、経営スタイルも、本当に十人十色です。
その中で、「この人は優秀だな」と感じる経営者には、ある共通点があります。
それは・・・
会計の専門知識があるとか、数字に強いとか、そういうことではありません。
優秀な経営者は、現状認識から逆算してプロセスを組み立てる能力に長けているという点です。
数字を「目印」として使い、ゴールまでの道筋を描く。
そして、その道筋を仮説として検証しながら進んでいく。
何より大切なのは、そのプロセスを社員と一緒に作り上げていることです。
一人で抱え込んで決めるのではなく、チーム全体で未来を描いていく。
そこに優秀な経営者の真髄があるように思います。
もちろん、計画通りにいくことばかりではありません。
むしろ、思い通りにいかないことの方が多いでしょう。
VUCA時代と言われる今、予測困難で複雑な出来事が次々と起こります。
想定外の問題が発生し、急な方向転換を迫られることも少なくありません。
経営は、思ったよりうまくいかないものです。
それでも、優秀な経営者は悲観することはない。
なぜなら、複数のパターンを想定してプロセスを組み立てているからです。
コロナショックのような不測の事態が起きたとき、多くの経営者が右往左往する中、冷静に対応できた経営者がいました。
彼らは慌てていたわけではありません。
想定していた複数のシナリオの中から、最適なものを選び、優先順位を組み直していただけです。
事業を行う目的を明確にし、お金の流れを把握し、具体的な対処法を日頃から考えていたからこそ、短期間で成果を出すことができたのだと思います。
正直、僕自身、経営者としてこうした考え方を持てていませんでした。
目の前の問題に対して、その場しのぎの対応ばかりしていました。
「何とかなるだろう」という根拠のない楽観と、「どうしよう」という漠然とした不安を行ったり来たりしていたように思います。
社員が辞めるかもしれない。
顧問先との関係が悪化するかもしれない。
資金繰りが厳しくなるかもしれない。
そんな不安を抱えながらも、具体的な対策は何もしていませんでした。
問題が起きてから、慌てて対応する。その繰り返しでした。
しかし、多くの経営者と向き合い、自分自身も経営者として成長する中で、いろんな事に気づくことができました。
優秀な経営者は、常に物事を考え続けている。
「これで良いんだ」と安心することはない。
「もしこうなったら?」
「こういうパターンもあるかもしれない」と、常に思考を巡らせています。
それは、悲観的になっているのではなく、むしろ前向きに可能性を探っているのです。
そして、予期せぬ出来事が起きたとき、
「やっぱりきたか」
「なるほど、このパターンか」と、冷静に受け止めます。
そこからアイデアを出しながら手段を絞り込んでいく。
試行錯誤しながら、最善の道を選んでいく。
その過程こそが、経営の楽しさなのだと、今は思います。
経営を楽しめるかどうか。
これは、経営者として最も大切なスキルの一つなんだと、今は実感できます。
ピンチをピンチとして捉えるのか、それとも新たなチャンスとして捉えるのか。
目の前の困難をどう乗り越えていくか、そのプロセスを楽しめるかどうか。
この違いは、経営者としての成長に大きく影響すると感じています。
簡単なことではないかもしれません。
僕自身も、まだまだ道半ばです。
でも、仲間とともに、試行錯誤しながら、一つひとつ乗り越えていく。
その過程を楽しむ心の余裕を持つことが、これからの時代の経営者には求められているのだと思います。
不確実な時代だからこそ、柔軟に、そして楽しみながら経営をしていく。
そんな姿勢が、これからの経営者には必要なのではないでしょうか。
皆さんは、経営を楽しんでいますか?
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